マイホームの購入にあたり、夫婦でローンを組む「ペアローン」という選択肢があります。
共働き夫婦の増加とともに注目されている仕組みですが、メリットだけでなく注意点もあります。
この記事では、ペアローンの仕組み・メリット・デメリットを分かりやすく解説します。後悔しない住宅購入のために、ぜひ最後までご覧ください。
そもそもペアローンとは?
ペアローンとは、夫婦それぞれが金融機関と別々に住宅ローン契約を結ぶ方法です。
住宅は共有名義とし、それぞれが自分の持ち分に対してローンを負担します。
たとえば、5,000万円の住宅を購入し、夫が3,000万円・妻が2,000万円のローンをそれぞれ契約する、といった形です。
ペアローンのメリット
① 借入可能額が増える
1人の年収では届かない高額な物件でも、2人の年収を合算することで借入可能額が拡大します。
例)夫:年収600万円、妻:年収400万円 → 合計1,000万円の世帯年収として判断される
② 住宅ローン控除を夫婦それぞれで受けられる
夫婦ともに住宅ローンを契約するため、それぞれが住宅ローン控除(最大13年間)を受けられます。
控除額を最大限活用できる点は大きな魅力です。
③ 金利タイプや金融機関を柔軟に選べる
夫婦それぞれで別の金利タイプ(固定・変動)や金融機関を選べるケースもあります。
リスク分散の一環として検討する方もいます。
ペアローンのデメリット・注意点
① 団体信用生命保険(団信)は個別契約になる
各自がローンを契約するため、団信(万が一の死亡やがんなどに備える保険)は別々に加入します。
片方が亡くなった場合、その人のローンは団信により完済されますが、もう一方のローンはそのまま残るため、遺された配偶者が支払いを継続する必要があります。
② がん・高度障害の保障内容に差が出ることも
金融機関によっては、がん団信などの特約が片方には適用されない、もしくは保障内容に違いが出ることもあります。
保障の差がある場合、予期せぬリスクになる可能性があります。
③ 離婚時に財産・ローンの扱いが複雑になる
ペアローンの最大のリスクともいえるのが離婚時の問題です。
- 不動産は共有名義なので売却が必要
- ローン残債の分割や引き継ぎが困難
- 片方が支払い不能になると連帯保証人としての責任が発生
など、金銭・法的なトラブルにつながるリスクが高くなります。
ペアローンがおすすめな人とは?
- 共働きで世帯年収が高く、住宅ローン控除を最大限に活かしたい人
- 住宅購入費用が1人では不足しており、ペアでの借入が必要な人
- 離婚や将来の変化に対して明確な話し合いや契約(公正証書など)ができる夫婦
まとめ:ペアローンは計画的に選ぶべき手段
項目 | 内容 |
---|---|
✅ メリット | 借入額アップ、控除の2重取り、柔軟なローン選択 |
⚠️ デメリット | 片方の死亡時にローンが残る、離婚時に複雑化、団信の保障に差 |
ペアローンはメリットも多い反面、ライフイベントに伴うリスクや制度の複雑さもあります。
メリット・デメリットを把握し、適切な判断をしましょう。