マイホーム購入時、避けて通れないのが「住宅ローンの金利タイプ選び」。
大きく分けて「変動金利」と「固定金利」の2種類がありますが、どちらを選ぶべきかは、将来の金利動向やライフプランによって変わります。
本記事では、それぞれのメリット・デメリットを網羅的に解説した上で、
**実際に35年ローンでの損得シミュレーション(変動0.5%、固定2.5%)**を行い、どのくらい金利が上昇すると固定金利の方が有利になるのかを明らかにします。
1. 変動金利とは?
🔹 概要
短期プライムレート≒政策金利に連動して金利が変動するタイプ。半年ごとに金利が見直される。
ただし、返済額の見直しは5年ごと、上限は前回の1.25倍までといった制限あり。
✅ メリット
- 金利が低い(2025年現在で0.5~1%が一般的)
- 月々の返済額が抑えられる → 借入可能額が増える
- 短期で返す予定の人に有利
❌ デメリット
- 将来的に金利が上昇すると返済額が増えるリスク
- 長期的な返済計画が立てにくい
- 金利上昇時には精神的な不安が残る
2. 固定金利とは?
🔹 概要
契約時に金利を固定し、借入期間中ずっと金利が変わらない。代表的なのが「フラット35」。
✅ メリット
- 金利変動のリスクなし → 家計の計画が立てやすい
- 金利が上がっても影響なし
- 長期的に安心して返済可能
❌ デメリット
- 金利が高い(2025年現在で1.5~2.5%が一般的)
- 月々の返済額が大きくなる
- 借入可能額が抑えられる
3. 【比較表】変動金利 vs 固定金利
項目 | 変動金利 | 固定金利 |
---|---|---|
初期金利 | 非常に低い(0.3~0.7%) | 高め(1.5~2.5%) |
金利変動リスク | 高い | なし |
返済計画の立てやすさ | 難しい | 安心 |
月々の返済額 | 安い | 高い |
向いている人 | 短期返済予定/金利上昇に強い人 | 長期安定志向/リスク回避派 |
4. 【シミュレーション】どのくらい金利が上がると固定金利の方が得?
🔹前提条件
- 借入金額:4,000万円
- 返済期間:35年
- ボーナス返済なし・元利均等
- 変動金利:当初0.5%、5年ごとに上昇
- 固定金利:2.5%(35年間変わらず)
🔸総支払額の比較(概算)
変動金利シナリオ | 想定金利推移(5年ごと) | 総支払額(概算) |
---|---|---|
0.5%(据え置き) | ずっと0.5% | 約47,500,000円 |
金利+1%シナリオ | 0.5% → 1.0% → 1.5% → 2.0% | 約56,000,000円 |
金利+2%シナリオ | 0.5% → 1.5% → 2.5% → 3.5% | 約65,000,000円 |
金利+3%シナリオ | 0.5% → 2.0% → 3.5% → 4.5% | 約70,000,000円 |
固定金利(2.5%) | 一律2.5% | 約65,000,000円 |
※上記は元利均等・年利ベースの概算値で、実際のローン契約条件やタイミングにより変動します。
5. 結論:損益分岐点はどこか?
- 金利が将来的に2.0%以上になる可能性が高いと感じるなら、固定金利を選ぶ価値あり。
- 金利が1.5%以下で推移する可能性が高いと考えるなら、変動金利の方がトータル支払い額は有利。
6. 金利選びのヒント
- ✅ 「借入期間が短い or 繰上返済を前提にしている」→ 変動金利
- ✅ 「将来の金利上昇が不安/家計の見通しを安定させたい」→ 固定金利
- ✅ 「中立的にリスク分散したい」→ 「固定期間選択型」(最初の10年は固定、その後は変動)
まとめ
住宅ローンの金利選びは、「金利差」だけでなく、将来の家計安定性・精神的な安心感・金利の読みがカギとなります。
本記事のシミュレーションを参考に、自分のライフスタイルに合った金利タイプを選びましょう!